ラジオは車の中で流れていた。

意識したのは小学生で、嫌々ながらプールに通わされていた頃。
毎週母親の運転する車で20~30分程度、うちはいつもJ-WAVEで、その時間の番組は「GROOVE LINE」だった。

ピストン西沢さんと秀島史香さんがパーソナリティを務めていて、ふざけたピストンさんと落ち着いて交わす秀島さんのトークが幼心に心地良く楽しかった。
人の声を「良い」と感じたのは、この番組で秀島史香さんの声を聞いていて初めて覚えた感覚だった。
ジングルやコーナーもよく覚えている。(Headline news J-WAVE~♪なんてのは今も変わっていない)
リスナーが鼻歌で、曲名がわからなくてモヤモヤしてる歌を歌って、番組が答えの曲を見つけていく「ミュージックレスキュー」とか。
帰りは何の番組だったかな…泳いだ後で眠かったり、寝てたりしたんだろう、あまり覚えてない。

音楽と出会う、という体験も、この行き帰りにした。
よく覚えていて、かかる度に良いなあと思っていたのは、
くるりの「ばらの花」と、m-floの「come again」だ。
調べたらどちらも2001年のリリース。
音楽を自分で聞き始めたかどうかの頃だ。11歳。

いつしかそんな、音だけの娯楽が楽しみになっていた。

そんな原体験があって、高校受験の頃、ラジオを部屋でつけてみた。
夕方なら「GROOVE LINE」、夜はNACK5の「鬼玉」をよく聞いた。
「鬼玉」はバカボン鬼塚さんときっくん、たまちゃん。

今書いてて気付いたんだけど、俺の唯一持ってる(?)ニャンちゅうのモノマネが実は似てない理由がこの番組にあった。
良い投稿に対してシールが出る時、「ばばばばっばばーん、鬼玉シール、どん!」っていう声が流れるんだけど、
俺はこれとニャンちゅうを混同して記憶していたんだ。
俺のニャンちゅう、完全に鬼玉シールのやつだった。

高校生になり、なんとなくリビングで聞いていたラジオで、めちゃくちゃ暗いけど美しい歌が流れてきて引き込まれた。
安藤裕子の「Lost child,」だった。
スピッツやACIDMANなどなど日本のバンドや、クラプトンやビートルズ、NIRVANAやFooFightersなんかをよく聞いていたけど、これをきっかけに初めて女性ボーカルのCDを買った。
女性ボーカルの歌を家族の前で聞くのがなんとなく恥ずかしかったのを覚えている。
そこから荒井由実やMarlena Shawなんかを聞くようになっていった。

The Policeの「Every Breath You Take」も、その頃だったかな、ラジオで流れてきて、この曲が「ポリス」なのか!とハマったりした。

大学生になり、自分で車を運転できるようになった。
好きなCDを爆音で聞くのも最高だけど、ただラジオをつけて走るのもとても好きで、大人になれた気分だった。

「GROOVE LINE」は相変わらずピストンさんが喋っているし、秀島史香さんは産休を経て、色んな番組で声を聞くようになった。(そしていつでも「良い声だなあ」と思う)
日曜のJ-WAVEの夕方はとても良くて、クリスペプラーさんの「TOKIO HOT100」から滝川クリステルさんの「SAUDI! SAUDADE…」は最高な流れだ。
藤田琢巳さんの「TOKYO REAL-EYES」では、インディーズのバンドをたくさん取り上げていて、とても勉強になっていた。
ある日、当時下北沢GARAGEの店長だった出口さんから「今日の夜中J-WAVE聞いといて」と電話が来たので、なんだろうと思ったら、そのリアライズでBlueglueの「切な思案」が流れて感激した。
実は少し、自分の曲を流してくれるんじゃないかと勘付いていて、わざわざ車に乗って聞いていた。

大学を出て、いい加減一人暮らし。
土曜日の夕方、クリスペプラーさんの「SAPPORO BEER OTOAJITO」を聞いていて、ふとメールを送った。
「一人暮らしを始めたバンドマンです。すごく好きな番組なんです。ビールを飲みたいけど発泡酒ばかり飲んでいます。黒ラベルが本当は一番飲みたいんです。」
数週間後、黒ラベル1ケースとOTOAJITOタンブラーが届いた。これは嬉しかったなあ。
サッポロ黒ラベルが一番好きなビールだってのは、この出来事以前から、本当だよ。
だし、この出来事以降、それは確固たるものになったよ。

ある時、小説家の友達が、いい番組があるよと教えてくれた。
TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」。
前口上から始まる2時間の番組、彼のジャジーでヒップホップなフィールはまさに粋なもんで、男を教わったし、たくさんの世界中の音楽を教わった。
あるクリスマスの回、終盤に彼が前妻への思い出と思いを突然語り始めたのは、とてもエモーショナルな体験だった。
洒落の中に垣間見える本気は、より迫力があって、シビれるもんなんだ。

また別の時には、関取花ちゃんが教えてくれた。
「おぎやはぎのメガネびいき」。
二人(とスタッフさん達)の自由で穏やかな空気感が気持ちよくて笑えて、お笑いに疎かった自分が、いつしか好きな芸人といえば、おぎやはぎ。と言うようになっていた。
矢作が小木にサプライズで結婚報告、の回は「めっちゃイイ」としか言いようなかったなあ。

最近では、あの村上春樹がTOKYO FMで不定期に番組をやるようになった。
初回、どんな感じなんだろう…と楽しみに聞くと、意外にも高めな声で、朗らかに喋っているのにすごい違和感を覚えた。笑
先日、その「村上RADIO」の初公開収録イベントに参加でき、「本当に実在してるんだ…」といった不思議な気持ちになった。

…と、どんどん出てくるんだけど、そんなわけで、ラジオが大好きだ。

1年前の7月初週、念願の、自分たちのラジオ番組がスタートした。
FM PORT「MUSIC CONVOY」。
新潟での縁で出会ったディレクターさんが、何の実績もないBlueglueをレギュラーに決めてくれた。(とんでもなくありがたいことだ)
自分たちで選曲して喋り、お便りをいただいてコミュニケーションができるのは本当に楽しい。
未だにちゃんとした番組になっているのか自信はないけど、楽しみに聞いてくれる人や、たまたま出会ってくれる人がいると信じて、1周年を迎える今日も元気にやらせてもらおう。
あなたのアガった話は「みんなでバデムザ!」(今日のテーマは「記念日」)へ、あなたのお悩みは「BAR WATANABE」へ、そしてフリーメッセージはなんでも、
今日も来週も毎週毎週、お便りたくさん送ってね。https://www.fmport.com/program/index.html?key=abb82fd79791d577fada7147aaf5f667

そして、そんなラジオ愛を書いたのが、アルバムのリード曲になった「ラジオとスープ」だ。
去年の秋、Bg合宿に行った時、山中湖の冷たい朝の空気の中で曲の原形が浮かんだ。
これは雨上がりの朝にまつわるラブソングにしよう、と書き進めていく中で、ラジオに絡めることを思いついた。
懐かしい歌が流れてきたら、恋に落ちた頃を思い出すように、
新しい歌にピンときたら、新しい恋に落ちるように。
二人の日々に雨が降っても、そうやって何度も、もう一度始めていけたらいいんじゃないかな。

「ラジオとスープ」、たくさん聞いてね。

ジャケットもイイでしょ。この女の子の正体は、きっともうすぐ…試聴会で…ビデオを…初公開…するよ…

そう、「信じ続けることで失うものなんて何もないよ」先行試聴会は明日、19:30に赤坂で。
皆でこのアルバムを聞いて、贅沢な時間を過ごそう。
語るし、歌うぞー。
21:30には終演予定だよ。そしてしばしのバータイム。
狛江のK.Base Roastery Lab. とのコラボ、Bgオリジナルブレンド(とても美味しいコーヒー)と、
ニューグッズ達(マグカップ、B.Y.N.Y.L.Tee)もぜひゲットしてね。

クレジットでの決済となっているけど、当日現金でのお支払いでも大丈夫とのこと。
CONTACTから、お名前と枚数をどうぞ。

なんだかえらい長いブログになってしまったな…じゃ、また。

渡邊直也

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